暗闇を照らす希望の言葉
(鬼滅の刃第24話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
心折れた人々に投げかける厳しくも優しい言葉
恐怖に絶望しながらも力強く生き抜く人間たちの希望の言葉。
心震える名言と彩るエピソードを厳選紹介します。
目次
- 1 名場面①「奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が妹を治す?仇を見つける?笑止千万!!」
- 2 名場面②「凄い一撃だった無駄な動きが少しもない」
- 3 名場面③「神様どうかこの人が今度生まれてくる時は鬼になんてなりませんように」
- 4 名場面④最終選抜を終えて抱き合う炭治郎と禰豆子を後ろから無言で抱きしめる鱗滝
- 5 名場面⑤「すまない酷いことを言った!!どうか許してくれ。すまなかった」
- 6 名場面⑥「いや行くけれども醜女は違うだろ絶対」
- 7 名場面⑦「そしてちょっと申し訳ないけど手の目玉気持ち悪いな!!申し訳ないけど!!」
- 8 名場面⑧「お前の妹は美人だよ」
- 9 名場面⑨雷の呼吸壱の型「霹靂一閃」
- 10 名場面⑩伊之助の走馬燈
- 11 名場面⑪「父さんと母さんは累と同じところに行くよ」
- 12 名場面⑫「プイっ」
- 13 名場面⑬「俺は君の妹を信じる」
- 14 名場面⑭「余裕で勝つわボケ雑魚がァ」
- 15 「今度から懐におはぎを忍ばせておいて不死川に会う時あげようと思う」
- 16 「そして君はね無惨。何度も何度も虎の尾を踏み竜の逆鱗に触れている」
- 17 「この少年は弱くない侮辱するな」杏寿郎の言葉は正しかったと認めよう
- 18 「関係ありません立ちなさい。蟲柱胡蝶しのぶ」
- 19 一番弱い人が一番可能性をもっているんだよ玄弥
名場面①「奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が妹を治す?仇を見つける?笑止千万!!」
(鬼滅の刃第1話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
物語冒頭、家族を失い妹を鬼に変えられ絶望の最中にいる炭治郎。
鬼狩りにきた鬼殺隊水柱・富岡義勇に禰豆子を殺されそうになり命乞いをして激高される場面です。
富岡の心情から自身も同じような経験をしてきたことが想像できます。
だからこそ敢えて浴びせた厳しい言葉に深い愛情を察する事が出来る名場面。
名場面②「凄い一撃だった無駄な動きが少しもない」
(鬼滅の刃第5話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
最終選抜を受ける為に炭治郎が最後に課せられた試練が岩切り。
岩が切れず狼狽する炭治郎の前に現れた謎の剣士錆兎が炭治郎に稽古をつける。
錆兎に一撃浴びせられ倒された炭治郎が発した言葉です。
切羽詰まった状況なのに相手の強さを認め敬う素直な性格の炭治郎を応援したくなる様な一言でした。
この時は錆兎はここだけのキャラだと思えばこの先のエピソードがまた良いですよね。
まさかあのキャラとの絡みがあったとは驚きでした。
名場面③「神様どうかこの人が今度生まれてくる時は鬼になんてなりませんように」
(鬼滅の刃第8話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
藤襲山で鱗滝の弟子たちを葬ってきた凶悪な鬼。
鬼が死に際に見た人間の頃の記憶、それは優しき兄に手を握りしめてもらった温かい記憶。
消滅する鬼の手を握りしめ「鬼になんてなりませんように」と慈愛の言葉をかける炭治郎。
兄弟子たちを殺した鬼を思いやる事ができるのは身内を鬼に変えられて苦しい思いをしているからなんでよね。
「鬼も最初は人間だった」事を実感している炭治郎だから言えるの言葉ですね。
悪いことをした事実は許されず地獄には落ちていくのですが、許されないながらも鬼にも情けを掛けていく作品のスタイルがとても素敵ですよね。
名場面④最終選抜を終えて抱き合う炭治郎と禰豆子を後ろから無言で抱きしめる鱗滝
(鬼滅の刃第9話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
鬼殺の剣士として認められた炭治郎と2年に及ぶ永い眠りから覚めた禰豆子の2再会の抱擁。
…からの「育手」鱗滝の無言の抱擁。
一呼吸おいて「よく生きて戻った」と鱗滝。
まず無言で二人を抱きしめるシーンに涙腺崩壊です。
鱗滝さんは多くの弟子を選別で失っていますから、炭治郎が戻ってくれたことが本当にうれしかったんだなと伝わってくるいい場面でした。
名場面⑤「すまない酷いことを言った!!どうか許してくれ。すまなかった」
(鬼滅の刃第13話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
鬼に恋人を殺された町民を優しくも厳しい言葉ではげます炭治郎。
恋人を失い悲しみにくれる町民は「お前に何が分かるんだ!!」と暴言を浴びせる。
炭治郎は町民の手を握り優しく微笑むと「炭治郎も大切な誰かを失った人」だと気付き謝罪する。
端役の町民が炭治郎も同じ悲しみを背負っている事を察する場面が心の琴線に触れます。
感謝の言葉ではなく暴言から謝罪という台詞を町民に言わせた事で炭治郎の抱えている気持ちを共有できますね。
私も大切な人を失った直後なら、恩人とはいえ素直にはありがとうなんて言えないし、普通の人間視点でよく心情が描けているなって思いました。
名場面⑥「いや行くけれども醜女は違うだろ絶対」
愈史郎に禰豆子を「醜女」と罵られ言い返した言葉。
家族愛と炭治郎の真っすぐな性格が伝わる微笑ましい場面です。
緊迫した展開の狭間にあるほのぼのとしたやり取りに気持ちがほっこりとします。
ところどころで笑いが入るセンス、この場面でそこ突っ込むとこなのって思いますよね。
名場面⑦「そしてちょっと申し訳ないけど手の目玉気持ち悪いな!!申し訳ないけど!!」
(鬼滅の刃第17話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
強敵との闘いで窮地に追い込まれた炭治郎が状況を分析する時に心境。
これも鬼滅的な笑いなのですが、追い込まれた状況に絡ませてくる言葉のセンス、台詞回しの上手さが光っています。
名場面⑧「お前の妹は美人だよ」
(鬼滅の刃第19話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
炭治郎達が別れ際に愈史郎にかけられた言葉。
当初、珠世を争いに巻き込んだ炭治郎達に対して嫌悪感を抱いていた愈史郎。
鬼との闘いの最中にも2人を見捨てて逃げる事を珠世に提案しています。
それ程に二人を煩わしく思い、禰豆子を醜女と罵った愈史郎の言葉だけに大きな意味があります。
自分の間違いを認め、意見を改めるって勇気のいる行為ですよね。
意固地な愈史郎が炭治郎と禰津子を認めたことに、わたしもなんだかうれしくなりました。
名場面⑨雷の呼吸壱の型「霹靂一閃」
(鬼滅の刃第23話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
登場時から頼りない挙動の目立った善逸。
鬼の出現に驚き気を失い「なんだこいつは!?」と思った所での覚醒です。
鳥肌が立つほどの迫力!!
気を失って覚醒パターンは珍しい手法ではありませんがここは度肝を抜かれました。
上記の「俺はなもの凄く弱いんだぜ」とは別の意味で「?」「?」で一連の流れを何度も読み返しました。
この後、再び善逸がヘタレるのが可愛らしいんですよね。
名場面⑩伊之助の走馬燈
(鬼滅の刃第37話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
累の父役の鬼との交戦中に追い詰められた伊之助。
死を悟った伊之助の頭によぎったのは過去の記憶。
「どのような時も誇り高く生きてくださいませ」
出発の際にかけられた婆様の言葉が伊之助を奮い立たせる。
猪に育てられ人の気持ちへの理解が乏しかった伊之助の心の成長を描いた貴重な一幕です。
伊之助が人の気持ち、やさしさを理解してホワホワする展開が本当に好きなんですよ。
赤ちゃんの成長を見守るような優しい気持ちで見守ってしまいます。
名場面⑪「父さんと母さんは累と同じところに行くよ」
(鬼滅の刃第43話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
鬼と化した累が欲しがっていた親子の絆。
死に際、繋がっていた親子の絆を自分の手で千切ってしまった事を思い出す累。
父さんと母さんにずっと謝りたかった…
「多くの人を殺した僕は父さんたちと一緒に天国へはいけないよね?」
「一緒に行くよ地獄でも」
消えゆく累に両親はそっと寄り添い一緒に地獄に落ちてゆく。
決して許されない子の過ちを一緒に償う良心の親心に心を打たれます。
「どんなにつらい過去があっても、鬼としての悪行は許されない」作品としての一貫したスタイルですよね。
厳しいスタイルは貫きながらも「世間は許さないけど親は子を愛している」という情け深さに魅了されています。
名場面⑫「プイっ」
(鬼滅の刃第47話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
柱合裁判にて「禰津子は人を食べない」と主張する炭治郎と「鬼は殺すべき」と主張する柱たち。
禰津子が人を食べる事を証明するために不死川は血まみれの腕を差し出すも禰津子はこれを拒否。
鬼殺隊に禰津子が容認される一幕。
禰津子の決死の抵抗というかしぐさが可愛いですよね。
鬼なのに鬼らしくないっていうヒロインとしての役割を果たしていますね。
名場面⑬「俺は君の妹を信じる」
(鬼滅の刃第66話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
死を目前に控えた炎柱煉獄杏寿郎の一言。
先の柱合会議で「鬼は斬首」と言い切った煉獄が禰津子を本当の意味で認めた場面です。
直前の猗窩座との激闘もあり、この言葉に涙がこぼれ落ちました。
もともと、鬼殺隊の隊員は何かしらの形で鬼に人生を狂わされた人がほとんどです。
それなのに鬼を認める、鬼殺隊の隊員として認めるというのは簡単に出来る事ではないと思います。
名場面⑭「余裕で勝つわボケ雑魚がァ」
(鬼滅の刃第88話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
上弦の陸との闘いの最中に威嚇と鼓舞をこめた天元の大見得切り。
不利な状況下でも折れる事無く上弦に立ち向かう姿を炭治郎は煉獄と重ね合わせます。
「だからこそ柱は優遇され尊敬される」「柱ならば部下の盾になるのは当然」こういった言葉の重みが生きるワンシーンですね。
「今度から懐におはぎを忍ばせておいて不死川に会う時あげようと思う」
(鬼滅の刃第136話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
富岡の天然ぶりがさく裂した「今度から懐に~」。
炭治郎が実弥のおはぎ好きを指摘して実弥が怒った後のこのセリフです。
人づきあいが苦手な(本人には自覚がない)コミュ障の義勇とコミュ力はあるけどちょっとずれてる炭治郎のボケっぷりがおかしすぎました。
「そして君はね無惨。何度も何度も虎の尾を踏み竜の逆鱗に触れている」
(鬼滅の刃第137話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
床に臥せる産屋敷に現れた無惨。
鬼の始祖と鬼殺隊頭首が対峙し言葉を交わす。永遠を夢見る無惨に産屋敷は人の思いこそ永遠だと説き伏せます。
一笑に付す無惨に人間の思いの深さを語った一言です。
ここ凄いかっこいいんですよ。舌戦なんですけど死を覚悟いている産屋敷が無惨にどうしても言いたかった事。
「誰にも許されていない」
無惨の働いてきた悪事の重さを最高の台詞回しで表現していて鳥肌立ちました。
「この少年は弱くない侮辱するな」杏寿郎の言葉は正しかったと認めよう
(鬼滅の刃第147話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
無限城で因縁の再会を果たす炭治郎と猗窩座。
目にも止まらぬ攻防。炭治郎の斬撃は猗窩座の予想を上回り日輪刀が額をかすめる。
猗窩座にとっては憎々しい炭治郎ですが武人として相手の強さを認める清々しい一言です。
逆に言えば猗窩座の余裕とも言える発言で炭治郎にとって厳しい戦いを想像させますね。
「関係ありません立ちなさい。蟲柱胡蝶しのぶ」
(鬼滅の刃第142話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
仇敵・童磨の圧倒的な強さを前に心折れかけたしのぶ。
瀕死のしのぶに叱咤するのは死んだカナエでした。
カナエはしのぶの回想の中で優しい姉のイメージがあったので厳しい言葉を投げたのが意外でした。
姉の激励がしのぶに力を与え、立ち上がるシーンは文句なしの名場面です。
一番弱い人が一番可能性をもっているんだよ玄弥
(鬼滅の刃第172話より引用 吾峠呼世晴/集英社)
絶対強者黒死牟に太刀打ちできない三人の柱たち。
兄実弥を救いたい、師匠行冥を救いたい、時透くんを救いたい…そんな思いとは裏腹に恐怖で足がすくんで動けない玄弥ですが炭治郎の言葉を思い出します。
「上弦の陸との戦いのとき、俺が弱かったから状況を変えられたんだと。」
黒死牟の強さはさすが上弦の壱という感じですよね。
状況を変えるカギを握っているのが呼吸の使えない玄弥という胸が熱くなる場面です。果たして玄弥は黒死牟に一泡吹かせられるのか楽しみですよね。
今回はここまでです。ここから先も名言、名場面がたくさん登場するのでまたの機会にご紹介させていただきます。